漢方基礎講座
09. 六腑(3) 三焦(さんしょう)


VI. 三焦(さんしょう)

 三焦は、西洋医学では対応した臓器はないため理解が難しいものですが、中医薬学では、 単一の形態器官ではなく一つの機能単位であるとされています。
すなわち無形の器官であるとされ、人体のある部位と内蔵の生理機能や病理変化を総合的に表したものです。

 三焦は、横隔膜から上の胸部を指す「上焦」、横隔膜からへその間の腹部を指す「中焦」、 胃以下の部位を指す「下焦」に分けられます。

 上焦は心、肺を含み、その生理機能は呼吸や血脈をつかさどり、飲食物の栄養分(飲食水穀の精気)を 全身に巡らし、全身の臓腑、組織を滋養することです。

 中焦は脾、胃を含み、上焦、下焦とつながり、体内物質の昇降の中心です。 その生理機能は飲食物の消化、栄養分の運搬(運化)をつかさどることです。

 下焦は小腸、大腸、腎、膀胱を含み、その生理機能は食物かすや余分な水分の下部への移動や 体外への排出を行うことです。

 三焦全体としての生理機能は、気の移動(気の昇降出入)の経路であることです。 人体の根本的な気のもとである「元気」は腎から三焦を通じて全身へ広がり、各臓腑の機能を維持します。
また、津液の代謝は、肺、脾胃、腸、腎、膀胱など多くの臓腑の共同作用により行われますが、三焦はその際の水道となることで 正常な津液の移動が可能となります。

(by 漢方アドバイザー・PhD.Ar)

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